山 行 報 告
2011/10/7〜10   南ア・甲斐駒ケ岳〜鋸岳     メンバ:大高ぁ、大高ゅ、小川 記録:大高ぁ




【コースタイム】

(10月7日) 
23:30大高宅=0:00小川宅 

(10月8日) 
中央高速=3:30戸台ゲート駐車場(仮眠)5:35〜5:50戸田大橋6:30=伊那市バス=7:10北沢峠7:40〜駒津峰〜11:37甲斐駒ケ岳12:00〜13:10六合目石室付近稜線(テント泊)〜水場片道10分(戸台側)

(10月9日)
5:30六合目石室付近稜線〜6:10三ツ頭〜中ノ川乗越〜7:35第二高点7:45〜8:40鹿ノ窓〜8:50小ギャップ9:00〜9:10第一高点9:45〜11:10岩小屋11:30〜12:15角兵衛沢出合〜14:45戸台ゲート駐車場=仙流荘温泉=戸台道の駅(仮眠)

(10月10日) 
戸台道の駅=中央道=小川宅=大高宅



【記 録】

(10月8日)
 三連休は快晴の予報。満天の星だ。甲斐駒のシルエットが中央道から見える。バス始発場所の仙流荘近くで前の車が止まる。駐車場に入れない。臨時駐車場も含めて満杯状態のようだ。

 何百台駐車しているのか暗くてわからないが、みんなバスで北沢峠に行くのだろう。しかし戸台の河原の駐車場は車がたったの5台。3:30だというのに焚火を燃やして起きている人がまだいる。ここは鹿や熊の野生の世界だ。仮眠から目覚めると寒い。

 河原沿いに車道があり、こちらを行くと戸台大橋までわずか10分で行ける。途中のトイレは水洗で掃除が行き届いており、大変きれい。戸台大橋からバスに乗る人は無く、すでにお客が多いためか、始発6:00より前に何台ものバスが前を通過していく。どれももちろん満席。

 6:30になってやっと3席空けてもらったバスが到着し補助席に乗せてもらう。今日は何往復するのだろう。運転手は無線ですれ違い場所を絶えず確認していた。北沢峠のトイレは近くの小川で発電しているとのこと。きれいで登山者が多い割には空いていた。

 壁に北沢峠周辺にクマが出没するので注意との張り紙があった。北沢峠から甲斐駒へは直登ルートを行く。しばしすれ違いで止まる。人の多い摩利支天ルートを避けて直等した。

 頂上で小休止し、鋸岳方面へ。大きな岩の間を下り始めると途中で砂浴びをする雷鳥の親子に出合う。6羽もまとめて見るのは初めてだ。

 甲斐駒から1kmくらいには、割合多くビバーク出来る場所がある。六合の石室は屋根が新しくなり石の間や天上の一部が空いていて雨が吹き込むが、半分を高くして床とし、そのまま寝られるように改造してあった。

 しかしここに後から次々と人が入り、最終的に18人で寝たそうである。これは、最初に小屋に到着した2人組みに翌日会った時に聞いた話である。

 水場は小屋からから少し先の稜線上の石塔のある砂礫地から、戸台側へ小屋に戻る方向からまっすぐ下降していくと、150mくらい下降したところにある。

 流れは水道の蛇口を半分くらい開いたぐらいの量で、短い水道のホースがあるため、簡単に汲むことが出来た。砂礫の稜線からは5色のテープがたくさん木につけられているため、すぐにわかる。

 我々は砂礫の木陰にテントを張り、早々に景色や人の流れを眺めながら宴会を始める。風もなく日が当っているため暖かい。ビール・日本酒・ワイン・バーボンと、景色をつまみ酒がすすむ。

 気がつくと砂礫地にテントが5張り。お隣は総勢20人の集団が各ルートから集中したとのこと。「翌日は6:00に出発するので協力をよろしく」と、事前に連絡をいただいた。

 日が陰り寒くなったので、夕食のカレーで体を温めて寝る。ユニクロの薄手ダウンに夏用寝袋、雨具を着こんでで寝たが、少し寒いくらいで大丈夫だった。しかし朝起きるとテントの内側が凍りついていた。

(10月9日)
 朝4:00起きをし、5:30に出発したが、4:30にはヘッドランプをつけながら出発した人もいた。朝のコムタンラーメンは好評だった。

 しばらく樹林帯の中を山梨側に多くトラバースしながら、時折稜線に出て歩く。冬は雪の付き具合にもよるが、樹林帯の中は、さぞかし歩きにくいであろう。七丈ケ滝尾根には、「危険のため入らないこと」と書かれていた。

 三ツ頭には、三角点と木の棒があり、少し下ると烏帽子岳方面への尾根の基部に2〜3張りテントの張れるスペースがある。熊穴沢ノ頭はで2人を追い越し、中ノ川乗越へ。

 このあたり下へ下る獣道があり、稜線沿いに歩くように気を付けたい。中ノ川乗越には甲府側に2張りほどのテント場がある。ここからは100mくらいのガレ場の登り。上部の岸壁から絶えず落石があるようで、岩の状態は不安定。のだめがビビり始める。落石のトラウマがあるらしい。

 登りきると第二高点。剣と道標があり一休み。ここから信州側を巻くようにして下降すると正面に大ギャップが見える。大ギャップ側へ行く赤布とまっすぐ下降する赤布があり、大ギャップ側へ行く赤布は冬季ルートで、まっすぐ下降して中岳の小尾根の基部を巻くように行くのが夏道ルート。

 100mくらい下降するが草地から下部は岩場。大ギャップからのガレ沢中岳からの派生尾根を回り込み鹿ノ窓ルンゼの登りはガレ場で特に鹿ノ窓ルンゼ上部からの落石には神経をとがらせた。

 大ギャップにはロープが垂れ下がっていて、冬はトラバースするのではなく、直接中岳稜線を歩くようだ。2年前の鈴木さんたちの記録を読んでも、稜線上を歩いた記録になっている。

 ただ、大ギャップからルンゼを下降して回り込んで第二高点に上っている記録なので、直接大ギャップから第二高点には登れないようだ。下から見るとルンゼを下降するのは大変に見える。

 風穴カンテ側に回り込んで一安心。鹿ノ窓ルンゼには立派な鎖があり安心して登れる。鹿の窓を抜けるとまた特大の鎖が張られたトラバース。その先に両側鎖の付いた小ギャップ。ここを抜けるとわずかで第一高点。

 途中で、のだめの知り合いのベルニナ山岳会のパーティーに出合う。向こうは登りで2泊だ。途中1張り張れるスペースがあった。頂上には鋸岳の道標。すぐ下には角兵衛沢が見えて下山する人々が見える。

 角兵衛のコルに着くと前から転倒した女性が手をざっくり切っており、祐が応急手当をする。角兵衛沢側に2か所テントの張れるスペースがある。頭3つ分ほどの岩が無数に詰まっていて、しかもすぐに崩れて歩きづらい。そのような状態がえんえんと続く。

 下りに向かって左側を赤布を頼りに下る。やっと4分の1くらいから左手の樹林帯に入り少し歩きやすくなる。ちょうど中間点あたりに大岩下の岩小屋があり、ここで大休止。

 岩小屋は大きな壁の下部にあるが、水は涸れていた。上部は安定した岩とはいえず、ちょっとテントを張るには不安。岩小屋から先は完全な樹林帯で下も土のため歩きやすい。1:30のコースタイムの半分で下る。

 戸台川は水量が少なく簡単に丸木橋を渡り対岸へ。あとは延々と川を下る。中間のダム以降、車道があった北側流れになっていて車道は無くなっていた。そのためガレを巻いたりするアルバイトを強いられた。

 早く到着したため、仙流荘の温泉は人が少なく、シカ肉料理を食べ、途中の道の駅で花火を眺め、仮眠して帰宅する。それにしても20人パーティーは今日中に下れたのであろうか。少し気になった。